「易占いってよく聞くけど、どんな占い方法なの?」
「易占いと易経ってどう違うの?なんなの?」
「易経・易占いについて詳しく知りたい!!」
古くから伝わる占い方法の一つとして”易占い”というものがあります。
今回は、そんな易占いについて池袋占い館セレーネの草彅健太先生に詳しく内容をまとめてもらいました!
今回ご協力頂いた占い師
池袋占い館セレーネ
代表 草彅 健太(くさなぎ けんた)先生
西洋占術/数秘術/四柱推命/姓名判断/タロット/易
司会・声優・占い師。各種イベントや動画配信サイトでMCとして活動しながら、占い師として各種業界に多くのクライアントを抱える。タロット・数秘術・西洋占星術などを用いたその鑑定は、落ち着いた喋りと丁寧なヒアリングで、信頼を置く顧客が多い。スイーツパラダイス各店舗にてタロット占いコーナーを担当していたこともあり、若い女性を中心に約5000人以上のお客様を鑑定。言霊占い師として占い館セレーネ、電話占いマヒナ、LINE占いでも鑑定中。他に、占いイベントの監修も行っている。
https://selene-uranai.com/
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易占い・易経とは?
それでは早速、易経や易占いについて確認していきましょう。
草彅先生がとっても丁寧に解説してくれていますので、チェックしてみて下さいね!
易占いとは『今後の行動指針を知れる占術』である!
易占いとは、「古代中国を起源とする占い」のことで、これからの未来についてや、今後どのように行動するべきの指針を知ることに適した占術となります。
占い師というと、何やら長い棒を使ってジャラジャラと占っている様子を思い浮かべる方も少なくないかと思います。
あれ、一体何をやっているのか気になったという人もいるのではないでしょうか。
実はあれこそ易で占っているところなのです。
そもそも易占いとは、古代中国に伝わる陰陽思想を元にした「六十四卦(ろくじゅうしけ・ろくじゅうしか)」と呼ばれる要素を用いて、物事の吉凶や判断を占うものです。
では「六十四卦」とは何でしょうか。
まず、この世界の全てを「八卦(はっけ)」と呼ばれる8つの図形で分類します。
この「八卦」とは、陰と陽2種類の棒を3本重ねたもので構成されており、それぞれの棒を「爻(こう)」と呼びます。
2種類の棒を3つ並べるので2×2×2で「八卦」ということになります。
よく占い全般のことを指して「当たるも八卦、当たらぬも八卦」と言いますが、この「八卦」とは易占いから来ているのです。
この「八卦」うち2つを上下に重ねたものを総称して「六十四卦」と言います。
同じ図形を重ねることもありますから、八卦×八卦で六十四卦、ということです。
先程お話したジャラジャラと占うための長い棒は「筮竹(ぜいちく)」と呼ばれています。
元々は周の時代(紀元前11世紀〜7世紀ころ)に「蓍(めどぎ)」と言う草を使っていました。
この草を特別な方法で数えることで八卦を導いて、出た結果から占っていたのですが、この草が竹へと変化し現在の形になっています。
ちなみに殷の時代(紀元前17世紀ころ〜11世紀)までさかのぼりますと、占うための道具には亀の甲羅を使っており、そのひび割れの形で吉凶を占っていました。
これを「亀卜(きぼく)」と言います。
道具を使った占いなどを指して「卜占(ぼくせん)」といいますが、この「卜」とは亀の甲に出来たひびの形から出来た象形文字です。
易経とは『易占いの結果をまとめて書物のこと』を言う
さて、それでは『易経』とは一体何でしょうか。
簡単に言えばこれは「易占い」の結果をまとめた書物のことを指します。
元々の書物は周の時代に成立したため、本来はこの書物のことを『周易(しゅうえき)』または単に『易』と呼んでいたそうです。
今行われている易占いはこの周の時代に成立したため、易占いそのものが「周易」と呼ばれることもあります。
しかし、この書物に書かれている内容は抽象的な卜辞(ぼくじ、占いの言葉)のみであり、これだけで占うことはことは大変に難しく、様々な解釈が必要なものでした。
ちなみに、この後の春秋戦国時代に鬼谷子が作り上げたと言われる「断易」という方法も現在まで伝わっています。
こちらは「爻」ごとに五行を当てはめるやりかたで、「五行易」とも呼ばれており、非常に精密な結果が出る方法として知られています。
また、「周易」以前には「連山易」「帰蔵易」と呼ばれるものがあったと言われていますが、残念ながらその内容は今でも伝わっていません。
易経・易占いの歴史は『宋』の時代にまで遡る!
現在の『易経』という名前で知られるようになったのは、宋の時代のことです。
この頃、『周易』について儒教的な観点から解釈が書かれた『十翼』という解説書が出来たことにより、『易経』として儒教の経典として数えられるようになりました。
現在世界史の授業で「四書五経」という用語を習った方もいるかと思いますが、これは儒教の経典における重要な9つの書籍を指しており、『易経』はその筆頭として挙げられていたんですね。
『易経』の作者については未だわかっていません。
伝説では「伏羲(ふつき)」と呼ばれる伝説上の人物が卦を作り、周の時代の王である「文王」が卦辞を、そして周公(都の近辺に住む諸侯)が爻辞(こうじ、卦を6本の棒で構成されており、それぞれの棒ごとに意味がある)を作ったとされています。
さらに『十翼』を作ったのは、かの有名な孔子であると言い伝えられています。
ですが、これはあくまで伝説の話であり、はっきりとした根拠はないというのが現在では一般的です。
しかしながら、そのような伝説が残るほどに『易経』は長く多くの人々に用いられてきました。
意外なところで言えば「マーフィーの法則」で知られるジョセフ・マーフィーや、精神分析の大家であるカール・グスタフ・ユングも易に熱中していたと言われています。
易は単なる占いとしてだけではなく、人々の考え方や哲学の分野にも影響を与えてきたのです。
草彅先生が易占いを取得するまでの全過程を聞いてみた!
- 企業パーティで易占いを勧められる
- 易占いの本を読み漁る
- 自分の運勢を占って記録をつける
次に、草彅先生が易占いを取得するまでの全過程をまとめてくれました!
どんな流れで易占いを扱えるようになったのかを確認してみてね♪
道のり1:企業パーティで易占いを勧められる
もともと10年以上、おなじ「卜術(ぼくじゅつ、道具などを使った占い)」であるタロットをメインに鑑定をしていました。
これでも十分とは思っていたんですが、新しい視点で占える方法が欲しいなと考えていたときのことです。
ある企業さんのパーティでゲストとして鑑定をしていたところ、メディアなどでも活躍されている催眠術師の方から「タロットがお得意なら、ぜひ易をやった方がいい」と強く勧められたんです。
なぜ催眠術師の方が易をご存知だったのか、そしてどうしてそこまで強く勧めてくるのか。
その辺りは結局伺えずじまいだったのですが、やけに熱っぽく語られたことで私の中で強く印象に残りました。
道のり2:易占いの本を読み漁る
この話を、私が所属している「占い館セレーネ」の代表・水森太陽先生にしてみたところ「易占いならこの本から読むと分かりやすいよ」と教えられたのが、黄小娥先生の『易入門』でした。
昭和30年ころにベストセラーになり、易占いを世に広めた本です。
専門書ではありませんが、易占いとは何かを知るのにとても有用な本でした。
その面白さに惹かれ、他にも様々な本を読み漁ることにしました。
道のり3:自分の運勢を占って記録をつける
どんな占いであっても、実力をつけるために必要なことは実践です。
とはいえ、たくさんのお客さんを見るのはなかなか大変なこと。
そこで有用なのが自分を占うという方法です。
易の良いところは何より、どこでも簡単に占えることです。私は筮竹を使わずサイコロを使って占うのですが、これでも十分に占い結果を出すことは出来ます。
他の占術よりも、かなり手軽に実践検証ができるところが強みではないでしょうか。
やり方は簡単で、占い結果と実際にどうなったのかをメモしていくだけです。
私はスマートフォンで管理していますが、その時出た内容にあえて逆らってみたりもします。
そうすると案の定ひどい目にあったり、そうでもなかったりと、検証ができて大変面白いです。
易占いができるようになるとわかる3つのこと!
- 具体的な行動や指針がわかる
- 問題点がはっきりと見えてくる
- 世の中が変わっていく流れがわかる
続いて、易占いでわかることについてまとめてもらいました。
易占いを行うことでどんなことがわかるのかをチェックしてみて下さい♪
1.具体的な行動や指針がわかる
古くは諸葛亮孔明が戦術にまで取り入れていたと言われているくらいですから、とにかく具体的な答えが欲しい時に有効です。
ビジネスにおける開業や交渉、取引といった内容から、片思いや復縁などの恋愛相談、友人や家族を問わずあらゆる人間関係などなど。
とにかくひとつ具体的な答えや指針が欲しい、というときにこそ使える占いです。
私の場合、二者択一の選択をするときなどは「こちらを選んだらどのようなメリットがあるか?」という質問を立てます。
こうすることで、単なるイエス・ノーではなく、その物事全体の流れが見ることができるので、後悔することが少なくなるのです。
2.問題点がはっきりと見えてくる
具体的な答えが見えてくるのが易の特徴ではありますが、時折ぼんやりとした答えを出すときがあります。
こういう時は質問の立て方を間違えていることがほとんどです。
易は面白いもので、間違った質問には決して答えてくれません。
「本当に自分が聞きたいことは何なのか?」ということを考えさせてくれる、ある意味では良き師のような答えを出してくれることもあるのです。
しっかりと考えた上で出した質問には、やはりしっかりと答えてくれるものです。
3.世の中が変わっていく流れがわかる
易において最も重要なことは、当たった外れたと一喜一憂することではなく「変化を知ること」と言っても過言ではないでしょう。
そもそも「易」という名前がつけられた理由にも様々な説が挙げられていますが、そのどれもが「変化」を意味するところを含んでいるのです。
さて、易には「易の三義(さんぎ)」と呼ばれるものが存在します。大まかに説明しますと、
- 変易……この世界のあらゆるものはすべて変化する
- 不易……そのあらゆる変化には一定の法則がある
- 易簡……その法則は理解すれば分かりやすく、人生に応用が効く
ということになります。
易で占えば占うほど見えてくるのは、その変化と不変、そして変化の法則性です。
どうすれば物事が動くのか、あるいはどうして変わらないのか。
自分が出くわしてきた問題の共通点がわかってくると、実は占わなくてもこれからどうなるかが見えてくるようになるのです。
易占いを取得する方法を3ステップで解説!
- 本やネットを使って独学で勉強する
- 実際に占って記録を取る
- 必要であれば占いのスクールに通う、気になる先生に教えてもらう
最後に、易占いをマスターする方法について紹介してもらいました!
易占いを扱えるようになりたい人はぜひチェックしてみて下さい♪
STEP1:本やネットを使って独学で勉強する
今はインターネットを使えば、簡単に『易経』の原文を読むことが出来ます。
また翻訳されている文章も読めますし、探せば解説をしてくれているサイトもあります。
古本屋さんで数百円出せば、それなりにいろいろな本も買えると思いますから、どんどん読んでみましょう。
先程出てきた黄小娥先生の『易入門』は大変読みやすい本ですから、入り口として読み始めるには丁度いいでしょう。
私が個人的に愛用しているのは、三浦國雄先生の『易経 ビギナーズ・クラシックス 中国の古典』です。
「易経とは元来読むものではなく引くもの」という立場で書かれており、文庫本サイズで持ち運びやすいサイズにも関わらず、六十四卦の現代語訳・訓読文・読み下し文・語釈が全て入っているという優れものです。
とはいえ、これはしっかりと解釈をしなければいけないものなので、初心者のうちは手を出さないほうがいいかもしれません。
様々な解説を読むとわかりますが、同じ結果なのに読み解き方が全く違うことがあります。
この場合どちらが正しいかではなく、何に基づいてその答えに至ったのかを考えることが重要です。
そうすることで、実際に自分が占った時の参考になるでしょう。
STEP2:実際に占って記録を取る
私が易占いに強くなっている最大のポイントは、何よりここにあると思います。
先程もお伝えしたとおり、易の良いところはどこでも簡単に占えることです。
私は毎日何かしらを易で占っては、その結果をメモしています。
自分の知りたいことがわかる上に実践検証ができるわけですから、一石二鳥です。
占う内容自体は何でもいいのです。
手軽なところで言えば、その日の昼食を聞いても構いません。
しかし、質問の立て方はしっかり考えましょう。
内容は簡単でもいいのですが「何のためにその質問をするか?」をきちんと吟味したほうがいいでしょう。
たとえば「お昼ごはんは何がいいですか?」よりも、「お昼ごはんに何を食べることが、午後の仕事に効果的ですか?」といった内容の方が、はっきりとした答えを出してくれます。
こうすることで、どんな質問なら明確に答えてくれるかが理解できるようになるでしょう。
STEP3:必要であれば占いのスクールに通う、気になる先生に教えてもらう
とはいえ、こうした独学というものは非常に疲れるものです。
場合によっては易を教えている学校に通ったり、あるいはプロの占い師に教えてもらうというのもありかとは思います。
易占いについてよくあるQ&A5つ
- 筮竹ではなくコインやサイコロを使うやり方でも、結果に影響はありませんか?
- インターネットにある自動の易占いでも当たりますか?
- 生年月日がわからない人のことでも占うことは出来ますか?
- おみくじと易占いは関係ありますか?
- 易占いで恋愛している相手の気持ちを見ることは出来ますか?
Q1.筮竹ではなくコインやサイコロを使うやり方でも、結果に影響はありませんか?
Q2.インターネットにある自動の易占いでも当たりますか?
Q3.生年月日がわからない人のことでも占うことは出来ますか?
Q4.おみくじと易占いは関係ありますか?
Q5.易占いで恋愛している相手の気持ちを見ることは出来ますか?
まとめ
- 易占いとは、これからの未来についてや、今後どのように行動するべきの指針を知ることに適した占術!
- 易経とは『易占いの結果をまとめて書物のこと』を言う!
- 易経・易占いの歴史は『宋』の時代にまで遡る!
- 易占いができるようになるとわかるのは『具体的な行動や指針』『物事の問題点』『世の中が変わっていく流れ』の3つ!
- 易占いを習得するには『本を読んで実践し続けること』!
易占いは、いつでもどこでも簡単に占うことが出来ます。
「梅花心易(ばいかしんえき)」という占術は、梅の花が折れた様子や日時から八卦を導いた、という逸話から名がつけられました。
易は日常の至るところで楽しむことができます。たとえば、目の前を通った車のナンバープレートに書かれた数字から卦を立てることも出来ます。あるいは、道を通る人の数で占うことも出来るでしょう。
そうやって周りのことを一つ一つ丁寧に見つめていくこと、その変わりゆく姿を心に残すことこそが、もしかしたら易の本質なのかもしれません。
とまあ難しいことを言いましたが、要するに易というものは、それほど私達に寄り添ってくれるものだということです。
中国の長い歴史に育まれた占いを、今ではこれほど簡単に使えるのです。是非楽しみながら、その奥深さに触れてみてはいかがでしょうか。